1980年代から90年代を僕は1950年代に建てられた米軍ハウスで過ごしていた。そのときにご近所さんだったケイちゃんとは今もお付き合いが続いている。

1年ほど前のことである。ケイちゃんから「庭の古い梅の木が大きくなりすぎちゃったから、切っちゃってくれない」と、お呼びがかかった。

切っちゃってくれって言われてもね。切っちゃうのは簡単だけど、ほんとにそれでいいのか?
切るのは忍びないものね。

そこで僕は「切らずに、剪定してあげようか?」とケイちゃんに提案してみた。この先のお世話が面倒だと思っているのか、ケイちゃんはあまり乗り気ではなかった。

「木の手入れは、年に一度くらい俺が来てやってあげるよ」と、僕が世話をすることを約束して、梅の老木は切らずに残すことになった。

さて、梅の木の剪定は僕がすることになったのだが、いつ頃すればいいのか。どう剪定するのかわからない。お屋敷の庭に入る植木屋さんのように粋な剪定はできるわけでもない。素人のDIY仕事でも、まあ、見た目にすっきりするくらいの剪定はしたいものである。

庭木についてとっても頼りになるが友人いる。植木屋さんのモギマコさんである。植木の基本を深く理解し、時代の変化を積極的に受け入れ、新しい試みに果敢にチャレンジする植木屋さんのニューウェーブ。庭や樹木のことを相談すると素人相手に丁寧なアドバイスを与えてくれる、ありがたい師匠のような存在だ。ロングテールバイク(荷物が積める便利でカッコいい自転車)を愛好する自転車仲間でもある。

梅の剪定の仕方も当然モギマコ師匠に相談した。アドバイスに従って枝をバッサリ落とした。こんなに切っちゃっていいのかよ、と不安になるくらいに。でも梅はバッサリ切っちゃって大丈夫なのだ。

2021年7月のことである。

そして、時は流れて2023年2月。

ケイちゃんから写真が届いた。
「梅の花が咲いたわ」

これは嬉しい!

さっそく、モギマコさんへご報告。
師匠も大喜びだった。

花が咲き、みんなが笑顔になった。
植木屋さんの仕事って素晴らしい。

剪定と梅の花。植木屋さんに学ぶ