知らない人から話しかけられる自転車

自転車に乗って移動する生活をしていると、声をかけられることが多い。
その理由は、僕の自転車が普通のものとは少し違っているからだ。
普通の自転車よりも少し長かったり、
タイヤだけがやたら太くて、ちょっと滑稽だったり。

とんかつ鈴の家さん

地元の隠れた名店『鈴の家』さん。
トンカツが食べたくなると足を運ぶその店でも、ある日声をかけられた。

声をかけてくれたのは、なんと店主さんだった。
長いこと通っていたものの、これまでご主人とはメニューのやりとり以外、ほとんど会話を交わしたことがなかったので、少し恐縮してしまった。

いつもカウンターの奥で、丁寧な包丁さばきでトンカツ定食を作る寡黙なご主人。
無駄のない所作と、皿に美しく盛りつけられた料理に、いつも胸がすくような感動を覚えていた。

ロングテールバイク(自転車)がきっかけに

そのご主人から、自転車について尋ねられた。
写真のワイルドキャット製のMTBに、エクストラサイクル社のフリーラディカルキットを取り付けてロングテールバイク化した、あの自転車のことだ。
既存の古い26インチのマウンテンバイク(MTB)を改造して作ったことを、丁寧に説明した。

ちょっと変わった見た目の、全長の長い自転車なので、どこで買ったのかと聞かれることは多い。
今回もそういった会話になるのかと思っていたら、思いがけない展開が待っていた。

店主は自転車乗りだった

「ご主人、自転車にご興味があるんですか?」
そんな僕の問いは、まったく野暮だった。

嬉しいことに、ご主人は「自転車乗り」だったのだ。
昔はダウンヒルを趣味にしていたらしく、かなり本格的に取り組んでいた様子。多くを語られなかったが、パーツの細かい話などにも詳しい印象を受けた。

さらに驚いたのは、ご主人が、かつて世田谷代田にあった自転車専門店「ワイルドキャット」のことをご存じだったこと。
おそらく1980年代から自転車を趣味にされていたのだろう。

美味しいとんかつと自転車

営業中の店先で長話はできなかったが、次に『鈴の家』さんのトンカツを食べに行ったときには、もし機会があれば、繊細なトンカツ定食の話とともに、自転車談義をもう少し深くしてみたいと思っている。

とんかつ鈴の家と自転車