最近は”アップサイクル”という言葉を耳にする機会が多くなり、リサイクルへの関心がじんわりと広がってきたように感じる。ブームに終わらず社会に定着してくれることを願う。
そんな世の中の流れを注意深く観察していたところ、5年ほど前にアップサイクルの仕事を依頼してくださった方から連絡があった。使わなくなった横断幕をアップサイクルしたいので相談にのってほしいというものだった。

過去のアップサイクルの仕事を覚えていてくれていたんだなぁと、嬉しかった。

企業がアップサイクルやリサイクルに取り組む場合、なかなか難しいものがある。例えば、使い終わったフラッグ(バナー)や横断幕。製作を依頼した業者さんにお願いすれば、処分(産業廃棄物として捨ててもらえる)してもらえるのだから、わざわざお金と時間をかけて何か付加価値のある製品へ生まれ変わらせる必要性があるのかという考えもある。余計な仕事が増えてしまうではないか。手間もかかるし無駄だというのである。

アップサイクルに取り組むか取り組まないかの判断は企業ポリシーに左右される。
何のためにアップサイクルをするのか。費用対効果をどう考えるか。実現までにはいろいろ課題もある。簡単にはいかない場合も多い。

写真は今回再びお声がけいただいた旭広告社のFNKSさんと2017年に取り組んだ「よこはまフェア」の使用済みバナーのアップサイクル。捨てるところが極力少ないように試行錯誤をかさね、大小サイズのさまざまなトートバッグを製作した。

アップサイクルの仕事はやりがいもあり、毎回新しい発見がある。
2023年のアップサイクルも廃棄物から面白いものが生まれるそうで楽しみである。

2017年のアップサイクル