ramsbicycle_2014

ここは神奈川県大和市南林間。住宅地の中にある自転車屋さん「バイシクルショップ・ラムズ」さん。

店主の堀さんは1970年代、ファッションを通して数々のアメリカンカルチャーを日本に紹介していた会社、VAN(ヴァン・ジャケット)に勤務していた。貯まっていた有休を使って2週間ほどイエローストーンを自転車旅行。帰ってきたら堀さんの席がなくなっていた。VANの仲間たちが自転車狂の堀さんを称賛して語り継がれているエピソードのひとつだ。実のところは休暇中に移動人事があったということらしいが。

自転車センスが高く評価され、マガジンハウスの雑誌『POPEYE』の自転車特集に協力することも多かったとか。堀さんが誌面に登場することもあって初期の雑誌作りに深く関わっていたそうだ。

堀さんの出会いは僕が大学生だった10代の頃。バイトをしていた町田JORNAアメリカ村『THE SHAPES(シェイプス)』という小さなアウトドアウェア輸入販売店だった。

店主の大隅さんは堀さんのVAN時代の先輩。VANが倒産して堀さんもお店を始めたばかりの頃、フランス製のサイクリングシューズ『PATRICK(パトリック)』を抱えててお店に訪ねてきた。「カジュアルでもカッコ良く履けそうだね」ってことで商談成立。早速お店で売ることに。黒いスムースレザーにパトリックの白い2本ラインが踵の外側に入ったなかなか洒落たシューズだった。

1980s PATRICK cycling shoes, RAM's
1980s PATRICK cycling shoes, RAM’s

自転車文化と普段の生活を上手にコンビネーションする堀さんのセンス。とてもユニークで刺激的だった。

堀さんとは縁があった。同じく学生時代。メンズクラブのイギリス特集に載っていたケンブリッジ大学の学生が乗る自転車。これを作ってもらおうと自転車の師匠の知り合いに雑誌の切り抜き写真を渡して頼み込んだ。人生初のオーダーメイド自転車の製作を引き受けてくれたのはなんとRAM’Sさんだった。自転車の師匠も実はVANの元社員で堀さんと同じ部署で働いていたことがあった。世の中は狭い。

さて、かれこれ30数年前に作ったRAM’Sの自転車(スポルティーフ)。未だ現役。はがれて無くなってしまったRAM’Sのヘッドシールを頂きに堀さんのお店へ伺った。十数年ぶりに会う堀さんはお変わりなく元気だった。お店は相変わらずの1980年代のアメリカの雰囲気が漂う。

在日米軍向けのハウスが残っていた1980年代の南林間を感じさせてくれる素敵な自転車屋さんです。

RAM’S BICYCLE SHOP(ラムズバイシクルショップ)
Tel/Fax: 046-274-5147
神奈川県大和市南林間8-17-14
平日:12:00~19:00 土・日・祝日:10:00~19:00
定休日    木曜日

RAM’S BICYCLE SHOP ラムズバイシクルショップ
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