朝の自転車ライド
北海道十勝地方に広がる壮大爽快な畑の風景は朝の自転車ライド(サイクリング)に絶好である。
住宅地から10分も走れば良く成長した小麦畑が広がり、青空とのコントラストがまた美しい。
朝飯前の1時間ほどのサイクリングで、初夏の北海道の気持ち良さをじゅうぶんに満喫できる自転車生活。帯広の街はそんな気軽さがある。
北海道産100%の小麦を使って作るパンは少し高価だけれど、風味があって美味しい。
でもいい話ばかりではない。
麦畑の農薬散布
北海道の農作物は国産で新鮮で美味しいというイメージがあるけれど、その生産過程では農薬が使われている。
久しぶりに滞在する帯広の実家からいつものように朝の自転車ライドに出かけたときのこと。ほんのりと殺虫剤のような匂いがしたのでまわりを見渡してみると、大きなトラクターで小麦畑の農薬散布をしていた。
地元の人たちには見慣れた風景なようで、気にしている様子もない。農作物の生産に農薬の使用は致し方なし、自分たちの食べる作物は農薬はできるだけ使わない、というのが僕の知る北海道農家の考え方のようである。
1980年代後半にも長野で同じような経験をした。1週間ほど仕事で滞在していたところは高原レタスの産地でレタス畑が広がっていた。やっぱり地元の高原野菜は新鮮で美味しいと喜んでいただいていたのだが、早朝の農薬散布を目撃してショックをうけた。
農薬依存の農業生産の現実を目の当たりにして、大量生産大量消費の農作物経済システムを安易に僕らが受け入れていることに疑問を持たずにはいられなかった。
農作物がどのように作られているのか
「やっぱ、北海道の食べ物は美味いよね!」とはいえない。
農作物がどのように生産されているのかを実際に見て知ることは大切だし、自らの口から入る食べ物の安全性に関心を持ち、その安全性を知る努力も続けたいと思う。