今年(2023年)も多摩川の水にどれくらいの放射能が残っているのかを確かめる定例調査に参加しました。
この調査は市民による市民のための環境調査団体「たまあじさいの会」により、毎年1回、2015年から継続的に実施されています。
多摩川の上流(一ノ瀬渓谷)から東京湾へ至る河口部(沖の岸)までの15地点にリネン布を設置し、リネン布に吸着した珪藻(けいそう)類の放射能を測定するものです。

僕の担当する調査地点は多摩川の中流域、東京都世田谷の砧浄水場取水口付近です。毎年にほぼ決まった場所にリネン布を3日間、72時間設置して調査します。
6月は雨による川の増水が頻繁な時期なので、3日間の天気を慎重に検討して、安全に気を使いながら、リネン布の設置日と回収日を決めなくてはなりません。川の増水が極端でない、安定した水位の測定日の3日間を設定するのがなかなか難しいのです。

底にリネン布を設置した後、僕は毎回、神に祈ります。
どうか、リネン布が流されずに76時間後の回収の日にここにこのまま残っていますように、と。

リネン布を設置

3日後の回収日を迎えました。
自転車をとばしてリネン布の設置地点へ。

川の水位は20センチほど低くなっていました。リネン布は川底にへばりつくように残っていました!
今回も無事に回収できてよかった。このときの安堵感といったら何と言い表して良いのやら。

リネン布の回収

リネン布に吸着した珪藻(けいそう)類の放射能を測定するために、回収したリネン布は、乾かしてから日ノ出町の市民放射能監視センター「ちくりん舎」へ送りました。
リネン布はちくりん舎のゲルマニウム半導体検出器により放射能測定が行われて、その結果は2023年度の多摩川流域の放射能線量調査としてまとめられ、後日、たまあじさいの会より公開される予定です。

過去の測定結果はたまあじさいの会のウェブサイトで確認できます。 → こちら

そして、市民環境調査団体「たまあじさいの会」からのお知らせ。
活動や調査に参加してみたい方、見学してみたい方はお気軽に「たまあじさいの会」ウェブサイトからお問い合わせください。

多摩川の放射能汚染の調査★2023年6月